活動報告

つながり・ぬくもりプロジェクトの活動報告になります。

【レポート】5/15宮城県山元町 「山元いちご農園」太陽熱の農業利用にチャレンジ

太陽の恵みを農業に役立てる!当たり前のことにチャレンジして半年が経ちました。

宮城県南部の海岸線に近い一帯はいちごの栽培で有名でしたが、津波でその9割が壊滅。
土や地下水は塩害で使えず放射能汚染も心配されたこの地で復興をめざした農家の4人は大きなビニールハウスを建て、その中で土の代わりに地面より高いテーブル上にヤシ殻を盛った培地を造りました。
この高設栽培のポイントは根回りの温度管理です。
いちごの苗を植え込んだ培地には長く細いパイプを敷いて温水を巡らします。
いちごの花が特に寒さに弱いので、培地を暖める温水はハウスの命なのです。

太陽熱温水器は日射熱で沸かしたお湯をタンクに貯めて夜でも炊事やお風呂に使える機器です。
システムを組めばお湯は床暖房にも使えます。これをいちごの培地を温めることに使えないか? 
そうすれば加温ボイラーの燃料であるA重油の使用量を減らすことができ、経費とCO2排出量の削減につながります。
つながり・ぬくもりプロジェクトは去年の夏、ハウスが建設される以前からこの支援を農家と共に模索していました。
有機農法をめざし安全で環境に配慮した「グリーンないちご」を全国のお客さんに直接、摘んでもらう観光農園にして地元雇用の受け皿となり被災地復興のシンボルとなる・・・。

地元農家4人で立ち上げた農業法人の代表、岩佐さんの夢は明確でした。

この夢に呼応したドイツ人のフェルドマイヤーさんが、友人たちから集めた10000ユーロを寄付してくれました。石鹸のラッシュ・ジャパンからも資金援助を受けて、漸くこの4月、日本初の太陽熱温水器農業利用システムを農園に寄贈することが出来ました。

太陽熱温水システムの農業利用は未だ本格的に始動していない新領域です。
4月、「ぐるっ都地球温暖化対策地域協議会」三井、「水環境ネット・東北」高橋らつながり・ぬくもりプロジェクトのメンバーが春の強風をついて仙台に集合。システムの設置工事現場に向かう予定でしたが嵐で列車が全て止まり、施工会社のアトム環境工学と仙台での最終打合せとなりました。

施工の直前まで設計変更を重ねたシステムの眼目は、あくまで自然循環式の太陽熱温水器を利用することです。
住宅の床暖房は高価な強制循環システムが常識ですが、それでは農家への普及は難しくなります。比較的安くシンプルな構造で昔から使われている自然循環式温水器は、例えば仮設住宅で使用を終えた後の再利用も可能です。
タンク容量280ℓの大型太陽熱温水器9台で2.5 tのお湯を作り、ハウス内に送り、いちごの培地を温める。直接ボイラーに太陽熱の湯を混ぜるのではなく、熱交換方式を使った日本初のシステムなんです。(文:戸井田)