活動報告

つながり・ぬくもりプロジェクトの活動報告になります。

「2/22つながり・ぬくもりプロジェクト活動報告会 第二部」アップしました

第二部「復興から始まるエネルギーシフト」パネルディスカッション

まず、住田町の太陽熱温水器設置にご支援をいただいた三井物産環境社会貢献部の赤間さんより助成事業に関してのご説明をいただきました。
つながりぬくもりプロジェクト以外にも、被災地の現状に合わせて中間支援としてどういう支援をしていくのがよりより被災地支援となるのか、といったことを考えながら支援をされているとのこと。
他にも、被災県に対する寄付金の他にソーラーランタンや殺菌剤といった物的支援、社員からの寄付金、社員の被災地におけるボランティア派遣なども行っているとのことでした。

■自然エネルギー事業共同組合レクスタ 桜井薫
緊急支援として避難所をたくさん回って来ました。避難所に明かりをつけたときは、皆よかったと喜んでくれたり、泣かれる方もいらしたりして、この活動をやってよかったと本当に実感する時でした。
避難所への設置は3種類あり、一つは「独立系」と呼んでいるもので、バッテリーを抱え、電気のないところで電気を使えるようにするものです。400wか200wのシステムで、だいたい明かりと携帯の充電、ラジオ、テレビなどに使われます。
そして二つ目が「連系タイプ」復興支援として設置をしていますが、5kW、10kWのシステムで、電気を電力会社に売ることができるものです。バッテリーを付けた連系システムは電力会社はなかなか認めてくれないので、これを認めさせるということも必要だと思います
そして三つ目が「街灯タイプ」最近特にニーズが高いもので、プロジェクトではこの3種類の支援をやっています。
「独立系」は避難所を始め120~130件になります。東松島の野蒜地区では、地域の電気屋さん、大工さんを中心に設置講習会をし、自分たちでつけてもらうといったこともしました。
「連系」の支援をしたのは、保育園、南相馬のデイケアセンター、そして表浜の漁協、支援した1週間後には漁協が再開しています。
そして、今僕らが一番重点を置いている場所は石巻の尾崎地区です。未だに電気は来ていません。この地区へは、街灯、井戸ポンプ、灯台がわりの港の明かりや、個人宅にも支援をしています。4月には小さな造船所に「連系タイプ」の支援をすることになっています。

このように支援をしてきて、分散型の電源は本当に大事であると思います。実際に防災無線が動かなかった、そこに太陽電池の独立型400w、200wというのを置いていくのは大事な事だと思います。
自然エネルギーによる災害の支援というのは、たぶん世界的には初めて、市民レベルで自然エネルギーの支援をこれだけ大々的にやっている活動は世界でも例を見ないと思います。
今回の支援で大きく感じたことが2つあります。ひとつは、我々が動き出した時に、色んな所に地元のネットワークがあって付けてくれたら、もっと速く自然エネルギーで人々が生活を取り戻せたのではないかと思います。
もうひとつ、これは6月か7月の写真です。人のいない周り何もない所に電柱がたくさん建ちました。100億か200億、いや桁が一つ上だったと思います。また何万人という電気工事士、これだけのお金と人材を使わないと、避難所に電気が届かない。これを見て私違和感を感じました。これがいわゆる日本型復興のひとつの形なんです。
プロジェクトでは4000万で150ヶ所の避難所に付けています。これだけの支援ができるはずなんです。そういう考え方を僕らは言っていかなければならない。そういうことが今必要なのではないかと感じています。そういうことが確かな未来を作って行くのかなと思います。

■バイオマス産業支援ネットワーク 泊みゆき
バイオマスというのは地域資源であり、森林利用や、林業振興の要素のひとつになりえます。自然エネルギーというのは、最初に装置を入れちゃうと、ほとんどあとはお金がかからない、メンテナンスだけで済むんですが、バイオマスの場合は、毎日毎日そこで燃やすものを調達する、良くも悪くもそういうものです。だから、継続的な雇用というものが当然生まれて来るものです。
またバイオマス発電については、発電ではなく熱利用の方が経済性もありますし、利用効率も良く、使いやすいし導入もしやすいものなんです
被災地で何か使うにしても、熱を優先した方がおそらく色々な面でやり易く、経済性もあると思われます。
バイオマスが日本でなかなか導入されない理由としては、最初の設備投資が高すぎるということがあります。そのためなじみがない、これがプロジェクトの3つの支援の中でも一番少ないという理由の一つだと思います。また、毎日の手入れが面倒くさいと思われるのですね。
被災地支援としては、まず大槌の吉里吉里地区でのお風呂の支援が最初でした。薪ボイラーを2台、イケスを使った浴槽で、公衆電灯も設置し、廃材を薪として使いました。
つながり・ぬくもり以外にも、20くらいの団体の支援で行われ、被災者の方は3週間ぶりに入浴ができました。
ここでは薪ボイラーを使っていますが、バイオマス利用で一番素朴なのは薪なんですね。ペレットにするにはペレタイザーが必要で、ペレット工場がないとできません。
しかし、薪や丸太だったらすぐに使うことができる、バイオマスにはいろんな使い方があるという中で、普及を続けていきたいと思っています。
また、これはつながり・ぬくもりとは別の動きになるのですが、被災材でお風呂に入るというのを被災者自身が運営するようになり、作った薪を「復活の薪」として売り出したりということもありました。
大槌は本当に津波の被害がひどく、漁業も壊滅状態ですぐに再開できない、年配の方の職がない、というところで、薪づくりがささやかながら貴重な現金収入になったわけです。
薪販売が終了したあとも、今迄杉を植えたまま放置されていた人口林を、薪として下ろすことで収入にしようということで、NPOや県からも人が集まっています。
研修会で、間伐の仕方、安いキットで、高い機械を使わなくても卸す方法があるといったことを学びながら林業をやっていこうとしています。
東北では暖房費がかかる、今まですぐ裏にバイオマス資源がいっぱいあるのに使ってこなかったというのが問題なのですが、これを自分たちの力ですることで、灯油や石油といったアラブ諸国に流れていたお金が、国内へ、自分たちの中で回っていくことになるわけです。
プロジェクトでは、緊急支援のあと、仮設住宅の集会場とか、被災者の方が利用する施設などにペレットストーブ、を支援するというようなことをしております。火を見ることが大きな癒し効果があると好評です

■パネルディスカッション

多田町長
「国のルールというのは、未曾有の、想定外の災害だと言っても既定のルールに従って、既定の法律に従って規則に従ってやる。例えば被災状況を調査しそれを検討し確認にかけて予算を取って決定したうえでさらにそれに申請して頂いてそれから許可を出します。許可がないうちに着手したのは、指令前着工として補助の対象にしませんとこういうようなのが国のルールな訳です。
隣の家が火事になった時、すぐその場で炊き出しをしてご飯を提供するというのはごく普通のこと、また、家は木で作るのが当たりまえという感覚ですので、何か特別なことをやったというつもりは全くないです。」

赤間さん
「この震災の支援をさせて頂くときに、色んな局面がありまして、最初は何と言っても緊急性というところで、機動性をどうやって上げるかというところでした。
震災の起きた次の日、NPOの皆さんが動き始めたという情報をキャッチしてNPOの皆さんにいち早く資金を提供できるジャパンプラットフォームに寄付金を出させて頂きました。
社員の被災地ボランティアについては手続きに2カ月ほどかかりましたが、ボランティア派遣の制度を作りまして、これを今までずっと運用してきています
環境基金については、元々大学の研究機関やNPOに寄付する制度があったおかげで、緊急運用して被災地支援に運用、また民間企業ということで柔軟に対応でき、機動力をあげられたのかなと思います。」

岩森さん
「仮設住宅で木で作ってあるということで、色んな所から見学にいらっしゃいます。
みなさんに支援して頂いているので、せめて自分ができることやってあげたいと思います。
被災したからどうとかではなくて、気さくに話をするかたも多いので遠慮しないで声掛けて頂きたいと思います。

■フロアからの質問に答えて

Q.放射能について
A.バイオマスについては一旦保留にしてはどうかという話になっています。
灰の処理を適切に行うのが難しいからです。例えば燃料、ペレットを燃やしたあとの灰がどのくらいの数値になっているかまだデータが揃っていません。環境省は自治体の回収に出してくださいという通達を出していますが場所によって高い数値が出ているのに、それで大丈夫なのかという思いがあります。
林野庁やペレットを作っている所とかがデータを取り始めたとのことですので、今後それらの情報を収集しながら判断したいと考えています。

Q.現在の太陽光パネル設置予定で予算6000万というのは人件費・設置費も込みなのか、それともパネル代だけですか?

A.全て含まれています。一式全部で200件分くらいです。温水器に関しても同じです。
色んな団体、個人の皆さんからご支援を頂いていますが震災から1年経って徐々に個人の方からのご支援は減ってきてますので企業の皆さんのご支援が頂けないかと思っています。
プロジェクトが知られれば知られるほどニーズが広がってきています。
今現在、住田町さんとは別の仮設住宅ところに100戸とか200戸という数になります。ただ被災地全体の仮設住宅から考えるとほんの微々たる量なので全部となると我々の手に負える世界ではありません。政府の方で最初からきちんと付ける手立てが取られるべきだと思います。

Q.多田町長への質問:木造の仮設住宅で10坪の平均的な建設費をおききしたいのと、構造材には集成材ではなく無垢の木を使って頂きたいです。残念ながら構造材に使われている集成材には健康上安全ではない接着剤が使われていると思われます。私は被災地支援で仮設住宅に何度も泊まってますが、皆プラスチックで出来ているので冬場に閉めきってると夜中にものすごい喘息のような発作と体中に蕁麻疹が出ました。きっとそこに住んだ方々にはこういう症状が出た方がたくさんいると思います。

A. 岩手県の例ですが国交省に聞きましたら仮設住宅一世帯あたり530万円くらいとのことでしたが、その後寒冷地仕様じゃなかったので、後から色んな補修工事を追加した結果550~560万ぐらいになってると思います。岩森さんがお住まいになってる仮設はもともと上下水道が完備して電気も新たに付けなくてもいい場所に設置したこともあって280万くらいで同じ面積の住宅ができてます。
私どもは寒冷地仕様を全て入れても350万くらいで仕上がっていますので木造が高いという認識は改めて頂いていいのではないかと思います。
それから集成材についてですが今の建築基準法では無垢材は強度計算ができないからどうのこうのというので、なかなか理解していただけないんですね。
  

■プロジェクトを通じてそれぞれの皆さん何を学んだか

赤間さん
「エネルギーは分散しておかないといざという時にいけないということです。
特に東北においてはバイオマスの利用を林業という産業を復活させて広げていかなければいけないと思います。例えば木造の仮設住宅キットを全国の木の町40ヶ所でも20ヶ所でもいいんですが、それをやっておけば何かあった時にいつでも応援に出せるわけです。
政策決定をする人たちは昔ながらのきまったことでしか動いていないのに対して我々市民レベルでどう動いていけるのか考えなければいけません。地元にNGOがあれば支援もスムーズに動くと思います。
もともと日本全国にエネルギーを扱える人たちがネットワークされていれば、もっと確かな日本のベースができるはずです。」

泊さん
「日本はどこかで災害があると思うのですが、そういった備えというのをきちんと考えて自分たち自身の生活をどうするか、エネルギーセキュリティの問題として色んな仕組みも考えながら一歩ずつ進むことが大切だなと思いました。」

三井さん
「今まで震災というと避難とか食料とかの備えをずっと考えて来ましたが、電力とか熱とかの備えも考えておかなくてはいけなかったんだなと思いました。復興計画の中に自然エネルギーを総合プロデュースするようなチームが出来ないかなと感じてます。」